ほのぼの子育て日記

子育て日記中心、時々怪談

ディズニー素人の俺と長女のディズニーシー弾丸ツアー③

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 お疲れ様です
 少し間が空いてしまいましたが、長女とのディズニー弾丸ツアー最終回です。


 ・弾丸ツアー①
  (https://budorigo.hatenadiary.jp/entry/2024/11/21/185355


 ・弾丸ツアー②
  (https://budorigo.hatenadiary.jp/entry/2024/11/26/121600


 無事に帰りのバスに間に合うことができ、安堵した俺。


 長女もお昼寝なしでさすがに疲れたのか、バス出発後はすぐに眠ってしまいました。


 行程表を見ると、約1時間後に三芳PAでトイレ休憩となっていたので、俺もそれまでゆっくり休むこととしました。

 


・・・・・どれくらい経ったでしょうか。


 ふと目を覚ますと、まだ三芳PAには着いていませんでした。


 時計を確認すると、ディズニーシーを出てから既に一時間半が経過しています。


 渋滞で遅れてるのかなーとぼんやり思っていましたが、前の方の座席にいたこともあり、ツアーのスタッフさんやガイドさん、それにバス運転手さんの会話が聞こえてきました。


運「すみません、俺道間違えちゃって…まだ三芳までもう少しかかりそうです」


ス「後ろの2号車のスタッフから連絡がありました。運転手さん、眠気からか運転がおぼつかないとのことです…」


ガ「とりあえず三芳じゃなくて良いので、次のPAに入ってください。私が2号車に移って運転手さん見張ります」


・・・・まだ夢の中かな?


 早くこの悪夢から目覚めて欲しいと願いましたが、残念なことに悪"夢"ではなく普通に現実のようです。


 ていうか、道間違えたのは乗客に知らせなくて良いのか…?


 とりあえず後ろの2号車に追突されないことを祈りつつ、PA到着を待ちました。


 しばらくすると、無事PAに到着し、ガイドさんは2号車へと移って行きました。


 まさかバス運転手の勤務問題をこんな肌で感じることになるとは…。


 しかし、その後はガイドさんの努力もあってか、無事に三芳PA等に寄りつつ、出発地に戻ってくることができました。


 深夜1時着の予定でしたが、時刻は既に2時を回ったところ。


 熟睡しているところを起こされ不機嫌な長女と、お土産を抱えて車まで行き、自宅まで戻るのも一苦労でしたが、とりあえず全員無事に帰宅できたことに感謝です。


 あとで、2号車に乗っていた人から聞いた話では、バスは終始ふらつきながら運行しており、ディズニーの絶叫アトラクションの数倍は怖かったとのことです。


 2号車の運転手さんもご高齢の方だったとはいえ、ちょっと今後の運行が心配ではあります。。。


 以上、最初から最後まで様々なトラブルはありましたが、長女も大満足の充実したツアーとなりました!

ディズニー素人の俺と長女のディズニーシー弾丸ツアー②

 お疲れ様です
 前回の投稿からの続きですが、「ケープコッド・クックオフ」での昼食後は、近くにあったシェリーメイとのグリーティングに並びました。


 シェリーメイって確かシーにしかいなかった気がしますし、待ち時間も20分とディズニーの中では比較的空いている方でした。


 ところが、もう少しでうちの順番になるという時に、長女が


「う○ち行きたい」


と言い始めました。


 死亡です。ここまで来て並び直すのはかなりの時間のロス…とはいえ、シェリーメイとのグリーティング中にモノが出てしまったら目も当てられません。


 近くにいたキャストさんにトイレに行くので列を抜ける旨伝えると、笑顔で


「終わったらまた戻ってきてください!列の同じ場所にお戻ししますので!」

とのこと。


神かよ。


 ディズニーのチケット代が高額になってもずっと混み続けている理由はこういうところにもあるんだなと涙ながらに実感し、長女を抱っこしてトイレへと急ぎました。


 トイレから戻ると、近くまで行っただけでキャストさんの方から気付いてくれ、


「あ、良かった!さあこちらへ!」と笑顔で列の中へ戻してくれました。


神かよ(2回目)。


 もうこれだけでディズニーに来た甲斐があると思ってしまいましたが、まだレストランとシェリーメイしか行ってません。

 長女を楽しませるには、ここからが本番です。


 グリーティング後は、隣の「トランジット・スチーマーライン」に乗りましたが、それでもまだ課金予約してあるトイ・ストーリーまで空き時間があります。


 ここで、作戦③発動です。


③お土産は、帰り際ではなく空いているうちに買え


 帰り際に買うとめちゃくちゃ混んでいるため、子連れで商品を選ぶのは至難の業らしいのです。


 ということで、昼食の時間帯でショップが空いていることもあり、お土産をさっさと選んで、コインロッカー(400円もとられました泣)に放り込みました。

 さあ、あとは遊ぶだけです!


 ここからの挽回は我ながら見事なものでした。


 トイ・ストーリーが終わると、ちょうどジャンボリミッキー(うちは席取れませんでした)がやっているせいか、アトラクションが空き始めていました。


 今なら15分待ちだ!20分待ちだ!と長女を抱っこしてダッシュで移動。

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 タートル・トークやらドナルドのグリーティングやらアクアトピアやらを攻略し、今度は早めの夕飯。


 夕飯後も、空いているアトラクションを見つけては抱っこ&ダッシュ移動。


 かつてバスケ部でベンチを温め続けた持久力が活かされ、シーライダーや海底2万マイルなどの人気アトラクションも攻略し、気づけば20:20。

 バスの集合時間は21:20なので、まだあと1時間あります。

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 長女がアラジンの「マジックランプシアター」が良いとのことで、ディズニーアプリの地図を基に向かいましたが、本日初めてのアラビアンコーストエリア。…恥ずかしながら行き方が分かりません。


 抱っこ&ダッシュの影響で、脚の疲労もピークに達しており、もはやここまでかと思われました。

 せめて、バスケ部時代にスタメンで試合に出れていればもう少し持久力が…。


 途方に暮れて、長女を降ろしアプリの地図とにらめっこしていると、余程困ってる感が滲み出ていたのか、近くにいたキャストさんが声をかけてきてくれました。


キ「どうかしましたか?」


俺「アラジンのマジックランプシアターへの行き方が分からなくて…」


キ「それなら、ここを戻って分かれ道を左に曲がって、次は右に…

と詳細に場所を案内してくれました。


神かよ(3回目)。

 キャストさんがここまで親切だと、もはやキャラクターではなくキャストさんとグリーティングするだけでも満足できそうです。


 御礼を言って、再び長女を抱っこしてダッシュ!ここからは時間との勝負です。


 「マジックランプシアター」に着いたのは20:40で、ちょうど本日最後の公演が始まるところでした。


 公演中は座って足を休めることができましたが、終わったのは21:00ジャスト。

 さすがディズニーという感じの面白い公演で長女も満足気でしたが、道に迷っていたタイムロスが仇となり、意外と集合時間がピンチです。


 ここからコインロッカーの荷物を回収し、21:20までに駐車場のバスまで戻らなければいけません。


 閉園時間で人がごった返す中、再び長女を抱っこして人混みの中をダッシュで駆け抜けます。もう部活より過酷だよこれ。


 俺の脚がつる寸前までいきかけましたが、何とか5分前にバスに辿り着くことができました。


 これで、あとはバスの中で休みつつ深夜1時には到着する…はずでしたが、この後まさかの展開が待ち受けていたのでした。


 次回最終回へ続きます。

ディズニー素人の俺と長女のディズニーシー弾丸ツアー①

 お疲れ様です
 うちの職場の福利厚生の一環で、ディズニーシー弾丸バスツアーがあるとのことで、先日長女と参加してきました。


 本当は、家族全員で行きたいところでしたが、朝4:30集合な上に、バスに乗っている時間も長く、さすがに0歳の次女を同行させることはできません。
(ちなみに、帰りは深夜1時の予定でした。)


 それならば、ディズニーに詳しい妻に行ってもらって自分は次女の面倒を…と思いましたが、職員の家族のみでの参加はNGとのことで、やむなく俺と長女のセットになりました。


 ただ、ご存知の方も多いかと思いますが、今のディズニーはアプリで色々やらないと全然楽しめません。


 かつてあったファストパスは無くなり、40周年プライオリティパスやら、有料のプレミアアクセスやら新参者が登場してきて、もはや素人では分かりません。


 しかも、話題の新エリアはアプリでとったパスが無いと入場すらできないとのこと…。


 そこで、当日までの間、昼休みにディズニーのガイドブックを読み込み、ひたすら勉強し(貴重な昼寝時間が無くなりました)、3つの作戦を立てました。


 そしてついに迎えた当日の朝4時、ぐっすり眠っている妻と次女を家に残し、寝ぼけ眼の長女を車に乗せて集合場所へと向かいました。


 バスは全部で3台あり、自分たちは先頭の1号車へと乗り込んでディズニーシー弾丸ツアーは幕を開けました。


 自家用車で行く時と違って、行きのバスに乗っている間はぐっすり眠れる…予定でしたが、興奮している長女が絶えず話しかけてきて全く眠れません。


 目的地が近くなってきたところで、ようやく長女は寝始めてくれ、加えて付近の渋滞がひどかったおかげもあり、だいぶ体力を回復できました。


 予定よりも1時間ほど遅い9:50着となりましたが、早速作戦①の決行です!


作戦①:入園したらすぐ新エリアのパスをとれ


 大人気という新エリア。入園したらまず第一にパスを取らないと売り切れてしまうらしいのです。


 さて、入場ゲートをくぐったところですぐにスマホアプリを起動しパスを取ろうとしましたが…

何と既に売り切れ。

 競争率高すぎだろ。まだ開園後1時間も経ってないぞ。


 早くも、作戦①は不発で終わってしまいました。


 仕方なく新エリアは諦め、無料のパスも既に無かったため、長女が行きたいと言っていたトイストーリーのパスのみ課金しました。

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 さて、パス課金が終わったら、今度は作戦②の決行です!


作戦②:食事は時間をずらしてとれ


 これは、妻からのアドバイスだったのですが、お昼や夕飯の時間帯はレストランも混むので、早めに食べておくと良いとのこと。


 また、注文にはディズニーモバイルオーダーを使えばスムーズとのことでした。


 早速、スマホアプリでオーダーができるレストランを検索します。


 なんかディズニーシー入ってからまだスマホしか見てない気がする…。


 20分後にケープコッド・クックオフというレストランで注文完了!アトラクションに乗りたがる長女をなだめてレストランへダッシュ


 しかし、ディズニーアプリの地図では場所がイマイチ分からず、終いにはGoogle Mapまで起動してようやくたどり着けました。


 早めの昼食をとりつつこの後の予定を考える俺。

 こんな感じで、果たして長女を楽しませることはできるのか…次回へ続きます。

弁当の盛り付け奮闘記

 お疲れ様です
 育休から復帰し2カ月が経ちました。


 ただ、妻はまだ育休中のため、お昼ご飯はお弁当を持たせてもらっています。


 ある日の朝、長女を送り出し自分の出勤の準備をしていた時のこと。


 妻は次女とまだ寝ていましたが、前日夜に「冷蔵庫に三色丼の材料あるから、お昼のお弁当はそれを盛り付けていってね」と言われていました。


 冷蔵庫の中を見ると、確かに、小松菜とそぼろに加え、卵焼きをミンチにしたみたいなやつも入っていました。


 三色丼はたまに食べるので、脳内にイメージはできています。

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 こういう感じですよね!

 これを目指して、弁当箱に盛り付けています。


 まずはご飯。その上に小松菜、卵焼きのミンチを順に載せていきます。


 あとは、そぼろを載せるだけですが、そぼろの量だけ少し多い気がしました。


 ただ、出勤時間も迫っており丁寧に載せている時間は無いため、とりあえず作業的にそぼろを載せていきます。


 以上で本日の弁当は完成です!

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ほぼ一色丼じゃねえか。


 盛り付けというか配分というかが良くなかったのか、ただのそぼろ丼弁当にしか見えない見た目になってしまいました。。。


 弁当の端っこには、そぼろの下に生き埋めになっている小松菜と卵焼きのミンチが僅かに見えています。


 これを以て三色と言えるかは疑問ですが、味は美味しく、材料を用意してくれた妻に感謝です。


 次回からはしっかりと盛り付けも研究していきたいと思います。

ハロウィンの仮装大会

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 お疲れ様です
 先月末はハロウィンでしたが、俺の故郷でハロウィンイベントがありました。

 その名も「仮装コンテスト」!


 イベント情報をネットで見た時はふーんと思っていましたが、コンテスト3日前に妻が

「家族みんなで出ようよ!テーマは千と千尋の神隠しで!」

と言い始めました。


 ええ!3日前だよ!?と思いましたが、かねてよりコスプレに強い憧れを抱いていた俺は、二つ返事で了承してしまいました。


 『千と千尋の神隠し』なので、長女が千尋、次女が坊、妻がオオトリ様(ひよこみたいなやつ)の仮装をすることとなり、至急ネットで衣装を買ったり、妻が裁縫で衣装を作ったりを始めました。


 そして、何とか当日までに全員分の衣装を揃え、コンテストに出場することができました。


 ちなみに、かく言う俺の仮装は…

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 これです、春日様です。


 最初はカオナシにしようかと思いましたが、カオナシくらいメジャーなキャラになると他の参加者とも被りそうだったので、少しニッチな分野を攻めました。

(ちなみに、カオナシの仮装をしていた参加者は一人もいませんでした。)


 ネットでそれっぽい衣装を買ったり、お面は自作したりでそれなりに費用がかかりましたが、我ながらまあまあの完成度です。

 ただ、前がすごく見づらいです。


 あと、顔が見えないからなのか、コンテストに参加していた子ども達は、しきりに春日様を怖がってました…。

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 坊にミルクをあげる春日様。


 そして、肝心のコンテスト結果は……

まさかの優勝!!!!

 これは春日大社に御礼参りに行かなくてはいけないかもしれません。


 ここでの優勝がきっかけとなり、今後更にコスプレにのめり込んでしまいそうで怖いです。

軽井沢で出会った〇カイ

 お疲れ様です
 先日、長女を連れて軽井沢までドライブに行ってきました。


 長野県に住んでると、軽井沢まですぐに行けるというのがいいところです!(売ってるものは高くて買えませんが)

 とは言うものの、高速代をケチって下道で行ったら約2時間かかりました…トホホ…。


 軽井沢プリンスショッピングプラザへ到着し、早速namcoで長女を遊ばせます。


 お店屋さんごっこができたり、バッテリーカーに乗れたり、空気でできた迷路みたいなやつ(語彙力)があったり、1時間ほど遊びました。


 料金は、1人800円で合計1,600円でした。出入口にあるアンパンマンポップコーン(300円)もねだられましたので、ここでは1,900円の出費となりました。

 軽井沢のアンパンマンポップコーンは、心なしか上品な味がしたと思います。

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ちゃんと車好きになるんだぞ!!


 移動に時間がかかることもあって、その後はプラザでお土産を買って帰ることにしました。


 海外のお菓子を扱っていたので、色々と眺めていると、、、

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……スカイ!?!?

 目は逝ってしまってますが、間違いなくパウパトロールに出てくるスカイです。


 ここまでかわいさを感じないスカイも逆にすごいと思います。買う人いるのかこれ…。

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誘惑に負けて買っちゃいました。


 まだ食べてませんが、眺めているだけでお腹いっぱいになりそうです。


 皆さんも、軽井沢に行かれた際には是非買ってみてください!地味におススメです。

怪談「山にいるもの」

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 お疲れ様です。

 本日は、久々に怪談を投稿したいと思います(育児無関係な上に、季節外れてますが…)。

 秋は紅葉狩りやキノコ狩りの季節ですが、山に入る際にはクマやスズメバチはもちろんのこと、その他にも注意しなければならないモノはたくさん住んでいるようです。

 

山を侮るでねえぞ—。


 Yさんの親戚は山を所有していますが、高齢ということもあり、管理はほとんどYさんが行っています。


 その見返りと言っていいのかは分かりませんが、山に生えている山菜やキノコなどは自由に採っていいと言われていました。


 特に、秋になると僅かではあるものの松茸が採れるということもあり、Yさんは喜んで山の管理を行っていました。


 ある年の秋のこと。例年のように、管理業務を兼ねつつキノコ狩りをしていたYさん。


 この日はお目当ての松茸も採れず、今年は不作かなと思いつつ斜面に腰を下ろして休憩していました。


 すると、視線の先の木々の間に、山に似つかわしくない大きな人工物が転がっているのが見えました。

テレビです。


 テレビといっても最近のものではなく、ひと昔前のブラウン管テレビのようです。
不法投棄かあ…Yさんは渋々腰を上げ、テレビの方に近寄ります。


 国道から比較的近い山ということもあり、これまでもジュースの缶やペットボトル、空の弁当容器などが捨てられていることはありましたが、こういった粗大ごみは初めてです。


 不法投棄は、捨て主が不明の場合、土地の所有者が処分しなければなりません。

 所有者は親戚ではあるものの、実質山の管理はYさんが行っているため、当然このテレビもYさんが処分手続きをしなければならないでしょう。


 処理が面倒臭そうだなと途方に暮れつつテレビを眺めていると、ふいにテレビが点滅し、ある映像が映し出されました。


 男性二人が大きなテレビを抱え山道を登っているところを、3mほど後ろから撮影している映像です。


 ただ、当然電源などあるはずもなく、普通に考えればありえない、いきなりの出来事に驚愕するYさんをよそに、テレビは映像を流し続けます。


 古めかしいテレビの割に、流れてくる映像は鮮明ですが、足音などは聞こえてこないことから、音声機能は壊れているようです。


 彼らは二人がかりでテレビを抱えたまま歩き続けていましたが、ふいに立ち止まり、周囲を確認し始めました。


 映像の撮影者も立ち止まり、一定の距離を保ったまま撮影を続けています。

 二人は撮影者の方にも目を向けましたが、特段撮られていることを気に掛ける様子はありません。


 そして次の瞬間、二人は抱えていたテレビを放り投げました。

 よく見ると、投げられたテレビは、今まさにこの映像を流しているテレビと同じ、ブラウン管のもののように見えます。


 それと同時に、一人の男性が踵を返して撮影者の方へと歩き出しました。もう一人の男性も続きます。顔から察するに、二人とも50代くらいでしょうか。


 しかし、次の瞬間、歩いてくる二人の後方に、木々の上から何か黒い物が落ちてきました。


 4~5mほどはあるのではないかという、丸い物体でかなりの大きさです。

 Yさんは巨大な熊か何かかと思いつつ、映像に釘付けになりました。


 大きさ的に考えて、落ちてきた時にかなりの音がしそうですが、前を歩く二人は全く気付く様子がありません。


 二人が撮影者に近づいてくるのと同時に、その丸い物体…球体もゴロゴロと転がって近づいてきます。


 熊ではない…しかし、何らかの意思を持って動いている。Yさんは確信しました。


 球体はゆっくりではあるものの、前を歩く二人との距離を徐々に縮めていきます。


 そして、球体がある程度近づいてきた時、Yさんはあることに気付きました。

 転がっているため、映像に映る球面は逐一変わりますが、全体が黒というわけではなく、一箇所だけ白い部分があるのです。


 そして、球体と二人との距離がほぼ無くなった頃、その白い部分がちょうど正面に来ました。


 それはでした。唇のようなものは無く、むき出しの歯。巨大な、そして獣のようなギザギザの歯。


 ただ、それ以外は真っ黒で目も鼻も確認できません。


 そして次の瞬間、球体の歯が上下に開きました。

 口と思われる部位の奥が見えましたが、そこに舌などはなく、ただただ真っ暗でした。「漆黒」という表現が一番しっくり来るかと思います。


"いりがあね"


突如としてテレビから音が響き渡ります。


 これまで音声は聞こえていなかったために、思わずYさんもビクッとしてしまいました。


 状況からして、球体が発した音…いや声なのかと思いますが、それはまるで老人のようにしわがれた声でした。


 そして、その声と同時に男性二人はえっという表情で後ろを振り返りました。


 が、次の瞬間、映像は全面赤色となり何も見えなくなりました。


 しばらく茫然と映像を眺め続けていたYさんでしたが、次第にその赤色が血しぶきのような気がしてきて恐怖とともに吐き気を催し、テレビから後退りながら転げるようにして山を駆け下りました。


 あの球体が今にもYさんの頭上にも落下してくるのではないか、という恐怖で山を完全に下りるまではろくに上を見ることもできませんでした。


 山から出たYさんですが、警察に通報すべきなのか、でも通報したところで信じてもらえるのかと迷った挙句、ひとまず山の所有者である親戚へ電話をしました。


 頭がおかしくなったと思われるのを覚悟で、今見たことをありのまま話したところ、親戚から返ってきたのが冒頭の言葉でした。


「当然だげんども、山ってのはオラたちが産まれる前からある。だげん、オラたちの知らねえもんだって絶対にいるんさ。山を侮るでねえぞ」


 親戚はそれ以上語ることはなかったそうで、Yさんは今すぐにでも山の管理を変わってくれる人を探しているとのことです。