ほのぼの子育て日記

子育て日記中心、時々怪談

あの時のウシガエル!?

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 お疲れ様です
 今週通勤時にワイパーのところにカエルがいました。その後5kmくらいはずっとここに滞在してて、僅かな時間でしたが、通勤仲間ができて楽しかったです(どこかの信号待ちで飛び降りていきました)。
 本日は、カエルで思い出した小学生の時の不思議な話を投稿します。


 小学校5年生の秋でした。その日は休みで、家で弟と宿題をしていたと思います。すると、父が外から帰ってきて、俺たちに言いました。

「○○神社近くの防火水槽に、でかいウシガエルがいるぞ」

 その防火水槽は、あまり大きくはなく、周りに低い有刺鉄線が張り巡らされていますが、その水の中でウシガエルが泳いでいるのを、当時消防団に入っていた父が点検時に見つけたようです。
 ウシガエル…!当時の俺は小さい緑のカエルとかしか見たことが無く、それは弟も同じだったため、二人揃って見に行きたいと父にねだりました。うちの地域ではウシガエルが珍しかったからか、父もすぐにOKしてくれ、車に乗せて件の防火水槽まで連れて行ってくれました。


 まだカエルがいるか不安でしたが、防火水槽に着くと、確かに大きな茶色のカエルが水の中を泳いでいました。
「おお!でけえ!!」
「こんなカエル見たことない!」

 俺と弟は有刺鉄線越しにカエルを見て感動しました。このままカエルが水槽から出るまで見ていようと思ったのですが、なかなか水から出ません。というか、水の淵までは行くのですが、有刺鉄線のとげが怖いのか(あるいは一度出ようとして失敗したのか)、そこから動きませんでした。


 父親もそれを見て出れないと思ったのか、「ちょっと待ってて」と、俺と弟を残し、車で自宅から網とバケツを持ってきました。そして、網を用いて水の中のカエルを捕獲し、バケツに入れました。俺は、カエルだって逃げるんだから有刺鉄線越しではなかなか捕まらないじゃないかと思っていましたが、意外にも何の抵抗もなくカエルが捕まったため、元気がないのかと少し不安になったのを覚えています。


 さて、カエルを捕まえたはいいものの、またこの辺りに放すと再度防火水槽に入ってしまう恐れがあります。そこで、農家ならではの考えですが、家で耕作している田んぼに放してやろうということになりました。田んぼには水路もあるし、時期的に稲刈りは終わっていたため、刈り取る際に機械に巻き込まれる心配もありません。

 そのまま車でカエルを田んぼまで運び、水路近くの湿った土の上にカエルを逃がして3人で帰宅しました。去り際に、カエルさんバイバーイと弟と手を振ったのを今でも覚えています。


 しかしその夜、不思議なことが起こります。うちの実家は母屋と離れがあり、日々俺や弟が生活しているのは離れでしたが、風呂は母屋にしかないため、お風呂前後で移動しなければなりません。
 その日も俺は風呂から上がり、離れへと歩いていたのですが、近づくにつれ、離れの玄関灯の下に何か茶色の物体が置いてあるのが見えました。何だろうと思いつつ、いよいよ玄関灯の下まで来ると、その正体は何と茶色のウシガエルだったのです…!


 ウシガエルは玄関の方に身体を向け鎮座していました。時々喉が動いており、しっかりと生きているのが分かります。俺は驚きつつしばらく眺めた後、そっとカエルの横を通り家の中へと入りました。横を通る際も、カエルは微動だにせず、じっと玄関の方を向いたままでした。家の中で父や母に報告し、皆で順に玄関から覗きますが、確かに外にウシガエルが鎮座しています。しかも昼間のと同じ茶色なので、全員でビックリしました。

「お礼を言いに来たのかもね」と家族で話しましたが、田んぼから家までは約2kmほど離れており、とてもカエルがぴょんぴょんと移動してくる距離には思えませんでした(そもそも、防火水槽から直接田んぼに行ったので、家には寄っていません)。

 ちなみに、翌朝にはもうカエルはいなくなっていました。


 あの日、防火水槽にいた茶色ウシガエルと、玄関前にいた茶色ウシガエル…同じカエルだったのかは今でも分りませんが、後にも先にも野生のウシガエルを見たのはあの日1日だけでした。