ほのぼの子育て日記

子育て日記中心、時々怪談

『考えるごっこ』

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 お疲れ様です
 子どもって自分で考えた、独自の遊びを始めたりしますよね。先週末、あいにくの天候のため、室内で遊んでいると、ふいに娘が言いました。

「パパ、『かんがえるごっこ』しよ!」


『考えるごっこ』…?自分の子ども時代にはそんな遊びはありませんでしたが、令和の時代にはあるのでしょうか。不思議に思い園で流行ってるのか聞いてみたところ、どうやら自分で考案した遊びのようです。
 しかし、名前からしていかにも哲学的な遊びのようにも思えます。子どもって吸収力速いしソクラテスとか出てきたらどうしよう…と始まる前からパパは不安です。

 娘がルール説明を開始しました。
「じゃあ、さいしょに『カブトムシ』って言ったほうが勝ちね!」

…え?どゆこと?『ごっこ』という名称ながらもこれはバトルなのか?勝負の世界なのか?ルールは簡単なように思えるが、『カブトムシ』というワードをただ口走れば勝ちになるのか、あるいは文脈の中で言わなければいけないのか。単純すぎて逆に分からない…とりあえず娘に質問してみることにしました。


俺「これっt…」
娘「カブトムシ!!!!!」


 それは一瞬のように感じました。いや、現に一瞬でした。一瞬にして勝負が決してしまったのです。娘が「やった勝ったー!」とはしゃいでいる様子を見て、ようやくルールを理解しました。これは"ただ言えば勝ち"なのです。『考えるごっこ』と言いながらも、考えては負けなのです。3歳児が考えるゲームを深読みしすぎてしまいました。

「パパ、もう一回やろ!」娘が言います。

 ただ、ルールを理解したからには大人が負けるわけはありません。「よし、今度はパパ負けないぞ」と気合を入れます。


娘「次は『クワガタ』って言ったひとが勝ちね!クワガタ!!!!!

…え?俺今発言する時間あった?これどういう言葉発するか考えた方が勝ちじゃない?
そこまで考えたところでハッとしました。いや、違う。娘が最初に発したワードは『カブトムシ』、次が『クワガタ』…そう、関連があるのです。

 つまり、関連性から次の言葉を予測し、娘が「~と言った方が勝ち」と説明すると同時に、その予測したワードを言えば俺の勝ちになるのです。言葉の関連性から次の言葉を"考える"。まさに、名前の通り『考えるごっこ』なのです("ごっこ"じゃないけど)。


 と、このゲームの真髄まで分かったところで、『カブトムシ』→『クワガタ』の次に来るであろうワードを考えます。この2つに共通しているのは『甲虫類』、しかも夏の時期に樹の蜜に群がる虫なので、恐らくこの流れで次に来るのは同じ甲虫類の『カナブン』でしょう。娘はカラフルなの好きだし。


「パパ、もう一回やろ!」と娘。
「今度こそ負けないぞ」と俺。『カナブン』発声の準備は万端です。そして、運命の第3ゲームが始まりました。


娘「じゃあ、次は…」
娘が発すると同時に俺も口を開きます。次の瞬間、二人の発声が重なりました。
俺「カナブン!!!!!」
娘「『プリン』って言ったひとが勝ちね!」

…え?


娘「プリン!!!!!」


 俺は悟りました。やはり3歳児が考えたゲームを深読みしてはいけなかったのです。この日の『考えるごっこ』は、パパの3連敗のまま終わりました。